Language School ~航~ を開講するにあたって
-専門的な視点から-
大学受験を控える皆さんへ/ TOEFL・英検を受験するみなさんへ
そして英語を身につけようとするみなさんへ
<もう少し先を見てみませんか?>
受験/資格試験といわれるものはなぜあるのでしょう。そこにはいろいろな意味合いがあるのかもしれません。
しかし私たちにとってそれらは未来への通過点といえるでしょう。大切な未来への通過点です。つまり「大切な未来」と「大切な通過点」が混ざり合うところ だと考えています。
受験を控える生徒に教え始めてから(バイト時代も含めれば)17年になりますが、多くの皆さんの、ひょっとすると教える側の人間(私も含めて)も、この「大切な通過点」に目を向けすぎるあまり「大切な未来」を見つめることが欠けてしまっている姿を何度も見てきました。
生徒の皆さんがこの視点が欠けてしまうのは仕方ないことかもしれません。しかし教える側、あるいは大人の側にこの視点が欠けているのはどうでしょう?
「受験だからつまらなくても仕方ない」
「試験だからこの程度でいい」
という生徒も多いのは、教える側、大人の側の責任も大きいのではないでしょうか。
しかし、答えは単純なのかもしれません。昔、子供のころに野球にサッカーに、暇さえあれば駆け回っていたのは何故でしょう。テレビで見たあの選手、漫画で読んだあの主人公見たくなってみたいと思ったから、つまり、憧れの「未来の姿」を描いていたからではないでしょうか?
<個々の試験問題を分析するだけでなく、
何故その試験問題を出すのかを考えたことはありますか?>
何故「ある大学」では「ある入試問題」が出るのでしょう。各大学の傾向という前に、なぜ大学側がそういう問いをしてくるのかが分かっていれば、未来も見えるし、なぜ自分が英語を学んでいるのか、いや正確にいえば、
英語を通じて何かを学んでいる ということに気づくでしょう。
ですから、また逆にいえば、あまりに漠然としすぎて
「英語やりゃいいんだろう」とか
「基礎を積み重ねさえすればいつか、よく分からないけれど、できるのかな?」
ということではうまくいきそうにはありませんよね。
たとえば、同じサッカーといってもポジション、プレースタイル、さまざまありますよね。毎日よく分からずに走りこみ、パス練習、トラップの練習だけしますか?基礎の重要性はプロだけが知っているんですよね。
Jack&Rodgers(2001)の言葉をかりると
People learn a second language more successfully when they use the language as a means of acquiring information, rather than as an end in itself.
言語そのものを目的とするのではなく、むしろ情報を得る手段として第2言語を用いるとき、その言語をよりよく身につけるのである。
日本人にとって英語は第2言語というより外国語なのでしょうが、学術の道に進む皆さん、実際にビジネスの世界で英語を使おうとする皆さんにとっては上記のことは憶えてもらっておいても損はないでしょう。むしろ得がおおいくらいでしょう。「試験だから英語を勉強する」だけではなく、「使い道/目的を把握する」ことで、皆さんが求める「英語をできるようにする]ということが可能となるのではないでしょうか。
では、英語学習に置ける目標とは何なんでしょう? ヒントとなる概念について触れてみます。
<EAP/ESP という概念を知っていますか?>
このEAPという言葉は、早稲田大学の文化構想学部のホームページにおいて、「EAPに基づいて大学入試を出題します」というようなことが載せられていたり, 京都大学においては、大学生にどのような英語を教えるべきかという論文のなかでよくこの EAP という言葉が用いられています。また様々な大学のパンフレットを見ているとこの EAPという言葉を用いて大学に入ってからどのように/な英語を身につけていくのかを示していることがあります。
EAP: English for Academic Purposes/ 学術目的のための英語
大学では「学術」 ( 一般的な理解は少し異なるでしょうが ) を行っていくのですから, 大学における英語の学習/英語を通した学習においてこの言葉/概念がでてくるのは当然と言えば当然でしょう。EAPを2つに分類するとEGAPとESAPに分けられます。
EGAP: English for General Academic Purposes (一般的な学術目的のための英語)
ESAP: English for Specific Academic Purposes (特定の学術目的のための英語)
EGAPの力を測るテストとして有名なのがTOEFLです。米、英、豪の大学、大学院で学ぶにはこの試験で基準点を満たさなければなりません。(英、豪ではIELTSと言われる試験でも構いません。また、英検でもこれらのテストの代わりになると見なしてくれるところも増えてきているようです)日本の入試だってこのEGAPの力を測ろうとしている(特に難関大学と言われているところ)ということが多分に見て取れます。基礎的なAcademic Writingを課す大学も増えています。
一方、大学、大学院に入学すれば、学部ごとに分かれていくのですから、より特定のその分野なりの言葉の用い方、用いられ方があるわけですから、そうなるともう、ESAPという扱いになってきます。例えば、早稲田大学政治経済学部では、「政治英語文献」、「経済英語文献」という形で大学1年時から、専門分野を英語を通して学んでいきます。これはもう立派なESAPといえるでしょう。(僕が学生の頃は,政治英書と呼ばれていて、教授の質問に、大学受験風の訳、いわゆる返り読みをして訳しながら応えると、「そんな日本語は分かりづらいからやめてくれ」と怒られている生徒が戸惑っていたのを憶えています。)
EAP のもとになる概念はESPというものです。大学のパンフレットでは、「個々に英語を学ぶ目的はさまざまである」と書かれていることも多いようです。対極にあるのがGEです。
ESP: English for Specific Purposes/ 特定の目的のための英語
GE: General English/ 一般的な英語
両者の関係としては、対立するものではなく、まず漠然と英語という言語がどう言うものなのか(GE) 知らなければ、ESPという概念に基づいて英語を学んだり、使ったりはできないといわれています。一般的な中高生が、文法とか訳とか言って身につけるような感じのものがGEだと思ってみてください。
ESPとEAPの関係およびGEとの関係

ESPという概念を理解するには、
Dudley-Evans, T. and M. J. ST. John. (1998). Developments in English for Specific Purposes:
A multi-disciplinary approach. Cambridge: Cambridge University Press.
を参照すると良いと思います。
個々の先生/講師の考え方、立場、力量によって異なるのでしょうが、従来の予備校ではGEに重点が置かれすぎているのかもしれません。もちろん、GEをある程度知っていなければ、EAPも何もないというのは理解できますが、少なくとも難関大学と呼ばれる大学を受ける生徒の皆さんには、EAPという言葉を知っていようといなかろうと、 その中身は身に付けて大学生になってほしいと思います。そして思う存分、英語を通して「学術」、皆が身につけたいものを身につけてほしいですし、自ら考え、証明したことをどんどん論じていってほしいと思います。
漠然と英語をやる(GE)ではなく、難関大学が要求するEGAPへの対応力を身につけてもらいたい! 『生徒の声』を見て下さい。僕の授業を受けて頂ければ、実際に英語を通して学ぶ、世界に目を向けて、学習していく下地が皆さんの中に育まれていくと確信しております。『未来』へ繋がる勉強をしていきませんか?私も皆さんとともに成長していくことを約束します。
そしてこの学習を下地にTOEFLにもTryしてみませんか?
英検も随分とAcademic なものを意識しているようです。試験の向こうにあるもっと大きな目標、夢から今現在の学習を見てみましょう。
そしてその目標、夢を具現化しましょう。
では、「その中身とは?」と問われれば、手っ取り早い応えが、「私の説明を聞いて頂いて、授業を受けてほしい」ということになります。御待ちしておりますので、色々な質問、疑問等を私にぶつけに来て下さい!
TOEIC の場合は、先ほどの表で示したEBP: English for Business Purposes と関わり合いがあります。これは、また別のところで触れようと思います。